熊本県出身
熊本第一高校卒業
東京芸術大学音楽学部声楽科アルト専攻卒業
東京アーベントムジーケン、バッハ・コレギウム・ジャパンの初期のメンバーとして、ルネッサンス、古典音楽のアンサンブリスト、ソリストとして活動。宗教音楽のソリスト、オペラにも数多く出演。
身体という楽器は実によくできていると思います。自分で何かやってやろうなんて欲がでてくるとたちまち固くなってしまう。だからといって何もせずに声が出せる訳でもない。この微妙なバランスが難しいのです。私は歌を始めた頃は心から楽しんで歌っていました。しかし<声楽科>に入ってからは『歌うゾ』という気追いが出てきて思う様に歌えなくなり、歌うことが憂うつになってきました。いわゆる挫折です。この凝り固まった身体と心をときほぐすにはずい分と時間がかかりました。歌は本当に自分そのものを映し出します。自分の強さも弱さもすべて出てしまいます。そういう生きている楽器だからいつも新しい発見があっておもしろいのです。技を身につけるためにはもちろん職人のように地道な努力も必要ですが、それらを学んでいく中で、身体や心が自由に働けるようにサポートができたらと思っています。やわらかな心と身体で音楽と触れあっていきましょう。